2020年春


2020年春

2020年春

作詞・作曲  冨井祐輔

 

がらがらの電車は夕陽に照らされ
都市の中へひたすら向かう
開けたままの窓から流れる風が
空気を新鮮に変える
窓ガラスに映るマスク姿の僕 
迷い怯える瞳をしてる
休むことを知らない急行電車は
僕を池袋に運んで行く
 
終点池袋 告げるアナウンス
ホームに降り立つ人々
どの顔もマスクで表情隠し
忙しなく改札口へ
間隔開けながら僕も忙しく
改札口から飛び出した
地下街は迷路だ 太陽の光
届かぬもうひとつの世界
 
臨時休業の貼り紙だらけ
無味乾燥の地下街
日毎に増えていく社会追われて
地下通路で寝転ぶ難民
誰も立ち止まらず 僕も背を向け
足早に通り過ぎて行く 
もう一人の自分 何か叫ぶけど
聞こえないふりして地上へ
 
コロナ 恐怖のウィルス
どこに潜んでいるかわからない
油断禁物 目を覚ませ
 
 
危険な匂いする北口のビル
派手な看板が光っている
長い物に巻かれるちっぽけな僕は
忠誠心ある魚だ
緊急事態宣言 休業要請
従ったら金が稼げない
だけどコロナは怖い 命は惜しい
感染拡大防ぎたい
 
フロントで愛想振りまきながら
日本の未来が不安になる
帰る家あるのに自粛しない客
居場所求め彷徨う難民
他の店が閉まって ここは連日
新しい客で大盛況
おそらくこの中の何人かはもう
感染しているかもしれない
 
終電近づくと大半の客が
それぞれの家に帰って行く
STAY HOMEせず ここに来る事情
もしかしたら何かあるのかも・・・
そう思いつつも不要不急の
外出の人もいる気がする
優先されるべきは一体何なのか
生命なのか 経済なのか
 
コロナ 恐怖のウィルス
どこに潜んでいるかわからない
油断禁物 目を覚ませ
 
 
深夜の店内は行き場失くした
難民が集まり混み合った
「難民救う為 営業続ける」
そんな記事をある日 読んだ
立派な大義名分 背後でニヤリと
黒い魚は金を数える
割引キャンペーン ビジネスチャンス
稼げる時に稼いでおこう
 
売上独占に焦ったライバル達
休業やめて営業再開 
休業要請の抜け道見つけ
テレワーク向けをアピールしている
生き残る為のそれも知恵なのだ
自粛しない店を責められない
従業員それぞれ生活がある
感染するのも怖いけれど
 
予想していたけど 延長される
緊急事態宣言のニュース
GW終わっても続く
見えないウィルスとの闘い
さて僕はといえば相変わらず
優柔不断な態度の日々
古くなったギターの弦 気にしながら
独り言のように歌っています
 
コロナ 恐怖のウィルス
どこに潜んでいるかわからない
油断禁物 目を覚ませ