あゝ名盤 シングル編④ 「22才の別れ」風

 

風「22才の別れ」(1975年2月5日)
A面「22才の別れ
作詞・作曲 伊勢正三
編曲 石川鷹彦

 

B面「約束しようよ」
作詞・作曲 大久保一久
編曲 石川鷹彦

 

22才の別れ」は今や1970年代フォークソングのスタンダードといえる名曲だ。あの印象に残るアコースティックギターのイントロが流れただけでわかる人も多いと思う。切なくて、胸がギュっと締め付けられるような・・・そんな青春のほろ苦い別れ道・・・。

 風は元・かぐや姫伊勢正三(正やん)と元・猫の大久保一久(久保やん)が結成したフォークデュオ。「22才の別れ」は風のデビューシングルであり、1975年4月12日のかぐや姫解散コンサートより前の1975年2月5日に発表されている。

元々「22才の別れ」は正やんがかぐや姫時代に書いた曲でかぐや姫のアルバム「三階建の詩」(1974年3月12日)に収録されている。正やんがこのアルバムの為に書いた曲が「22才の別れ」と後にイルカさんが歌い大ヒットした「なごり雪」だ。当時から「22才の別れ」と「なごり雪」は人気が高く、シングルカットの要望もあった。しかし結局、当時かぐや姫のシングルとして出ることはなく、グループは解散する事になった。そこで「22才の別れ」は風のデビューシングルとして新たに録音され、発表されることになった。「22才の別れ」は大ヒットし、オリコンチャート週間1位、1975年度年間7位を記録している。

 

22才の別れ」を初めて聞いたのは中学生の頃だった。その頃は22才なんて随分先の話だと思っていたけど、いつの間にかその年齢も超えてしまった・・・しみじみ。
正やんは中学生の頃からの大ファンでかぐや姫、風、ソロになってからの作品もずっと聴き続けている。僕にとっての「青春の歌」が最も多いといっても良いかもしれない。
かぐや姫のメンバーで解散後、最も変わった人物は正やんだと思う。かぐや姫結成当初は曲を作っていなかった。しかし、次第に曲作りを始め音楽史に残る「22才の別れ」「なごり雪」を作り、シンガーソングライターとして目覚めていく。風時代もどんどん進化していき、サウンド的にもフォークから離れていく。サウンド志向と呼ばれ、AOR路線へと向かっていくのだけれど、それはまた別の機会で紹介しようと思う。

 

B面「約束しようよ」は久保やん(大久保一久)の作品。明るくポップな曲だ。風のシングルはずっとA面が正やん、B面が久保やんの作品だった。久保やんも正やんに負けない素晴らしシンガーソングライター。異なる音楽性を持った2人が一緒に活動をしているというのも風の魅力でもあった。たまには久保やんがA面の曲があっても良かったのでは・・・と思ったりもする。2人とも風時代の変貌ぶりがすごい。

 
風のシングル曲はアルバム未収録やアルバムとは別バージョンという作品がやたら多い。「22才の別れ」「約束しようよ」もアルバム未収録。しかし、2007年にシングルコレクションというCDが出ているので全曲CD化されている。
アルバムもほんと素晴らしいので、いずれ機会があれば「あゝ名盤 アルバム編」で触れたいと思う。

 

正やんも久保やんも別々でライブに行った事はある。一応、風は解散ではなく1979年から活動休止という事になっている。(活動期間より長いけど・・・活動休止後も何度か風として一時的にステージに上がった事はある)ぜひ今度こそは風のライブに行きたいなぁ。

 

ちなみに風というデュオ名は正やんが付けたらしい。「空気のように留まらず、音楽的に常に進化していくことを目指す」という意味を込めて付けたという。そう、風はその名の通り、常に進化した。「22才の別れ」だけが風じゃない。