あの夏、おばあちゃんは少女だった
作詞・作曲 冨井祐輔
いつの間にか小さくなったおばあちゃんと
懐かしい町を歩いた
眠るような細い目をして
おばあちゃんはゆっくり歩いて行く
静かに見守りながら
僕は僕の知らない時代を考える
昔 おじいちゃんが歌ってくれた
僕はまだ覚えているよ
立ち止まって空見上げる おばあちゃんが
ぽつり呟く戦争
「あの頃は戦闘機が
透明な空 黒く染めていた
爆弾 今も記憶に
埋もれていて忘れた頃に思い出す」
それは おばあちゃんが少女の頃
刻んだ風景
炎の雨 壊れゆく生活
瓦礫の中から立ち上がった雨上がり
少女は大人になって空に虹を描いた
そして おばあちゃんはまた静かに
まっすぐ歩き出す
僕はそっと日傘を差した