羽仁進監督特集です。
「愛奴」(1969年/創映プロ、松竹/監督:羽仁進)
ある青年の「性」に関する不思議な体験・・・。
なかなか上映されない作品なので、観れて良かった!
学生の斎木秀生(河原崎権三)は地下劇場の一員で演劇活動をしています。
ある日、グループの打ち合わせの後に秀生は恋人の燿子(田沼瑠美子)を誘います。
しかし、燿子は妙によそよそしい態度をとります。
この夜、秀木は墓地の参道で円城寺(額村喜美子)と名乗る美しい夫人に出会います。
そして、秀生は不思議な世界に迷い込みます。
夫人に案内された古い洋館で秀生は召使少女・愛奴(末政百合)を紹介されます。
秀生は燿子との充たされなかった欲望から愛奴を抱き、官能世界を漂い、極限の快楽を味わい・・・。
何と言えば良いのかわかりませんが、独特な雰囲気のある作品です。
それはやはり、謎の少女・愛奴を演じた末政百合さんが持つオーラの影響が大きいと思います。唯一無二の存在感があります。
愛奴とはいったい何者なのか・・・そんな事を考えている間に、観客もいつしか、その不思議な世界に迷い込んでしまいます。
・・・・ところで「末政百合」って何者???
この映画くらいしか、調べても出てこない・・・。
誰かわかる人いたら、教えてー。
「アフリカ物語」(1980年/サンリオ・フィルム/監督:羽仁進、サイモン・トレバー)
※吹き替え版
壮大なアフリカの大地が舞台で、日本人は出て来ません。
今のところ・・・羽仁進監督の最後の劇映画。
アフリカの大地。そこで老人(ジェームス・スチュアート)と孫の少女(キャティ)が動物と仲良く触れ合いながら暮らしています。
ある日、一機のセスナが墜落、中から1人の男(フィリップ・セイヤー)が飛び出して来ます。男は事故のショックで記憶を失い、彷徨います。
やがて男は老人と少女が住む「森の家」に辿り着きます。しかし、老人は男を文明の闖入者として追い出します。
行き場のない男は川のほとりで気を失い、少女に助けられ、介抱されます。
老人は複雑な気持ちで少女の様子を見つめています。
やがて、男の体力は回復しますが依然として記憶は戻りません。
ある日、男は森のはずれにある奇妙な廃鉱を見つけ、老人に尋ねます。すると何故か老人は怒り出します。
老人の怒りと戻らない記憶に焦った男は「森の家」を去りますが・・・。
アフリカの壮大な自然の中で動物達と生きる人々を描いた名作。
自然と「共存」する事の大切さが伝わってきます。
ヒロインの少女を演じたキャティは健康的な魅力が溢れていて、良いですね。
キャティは1980年前後に活躍したハーフのグラビアモデル。調べてみたら、映画は「アフリカ物語」くらいみたい・・・。
この映画は人間だけじゃなくて、自然と動物も主役。
数多くの動物がアフリカの自然の中で活き活きと生きる姿をキャメラは捉えています。
アフリカの壮大な大地は映画館の大きなスクリーンで観たほうが感動します。
半分、記録映画?笑
動物撮影の専門家・サイモン・トレバーが共同監督・撮影で参加しています。
とにかく自然と動物を記録した映像が素晴らしく、目が離せない。
ぜひ、観るなら劇場で観て欲しい作品!
「アフリカ物語」予告編