猫「地下鉄にのって」(1972年11月21日/CBSソニー/ODYSSEY)
B面「片想いのブルース」
作詩・作曲:田口清
猫の音楽を初めて聴いたのは中学生の頃でした。吉田拓郎のバックバンドをしていたという事で興味を持ち聴いたのでしょうか。
と言いつつも拓郎を聴くようになったのは高校に入ってからで、何故か猫のほうを先に聴いていました。笑
猫はフォークのようなロックのような斬新なサウンドで「ニューミュージック」という言葉は猫から始まったという説もあります。
「ニューミュージック」がどこから始まったかは猫以外の説も多くあります。猫じゃない気もします。笑
でも、そういう説があるくらい新しいタイプの音楽だったという証ではあります。
「ねえ君 何を話してるの〜♪」という出だしで有名な「地下鉄にのって」は猫の3枚目のシングルで1972年11月21日にリリースされました。
猫は早稲田大学のカレッジ・フォークグループ、ザ・リガニーズのメンバーだった常富喜雄、内山修とジ・アマリーズの田口清によって1971年10月に結成されました。ユイ音楽工房に所属し、吉田拓郎のバックバンドを務めたりしていました。
1972年3月9日、猫は東芝音工から「人生なんてそんなものさ」でデビューします。
しかし、その後吉田拓郎が立ち上げたオデッセイレーベルに参加する為にCBSソニーに移籍、吉田拓郎が作詩・作曲した「雪」(1972年8月21日)を発表します。
(吉田拓郎バージョンの「雪」は"よしだたくろう"1stアルバム「青春の詩」(1970年11月1日)に収録されています)
「雪」が評価された事によって早速、猫の1stアルバムが企画されます。「地下鉄にのって」はこのアルバムに収録されています。
「地下鉄に乗って」はツアー先のホテルで吉田拓郎によって書かれました。この曲を中心に猫の1stアルバム「猫」(1972年12月21日)は作られる事になります。
実はシングルバージョンよりもアルバムバージョンの方が先に録音されています。
アルバムバージョンはシングルバージョンより、テンポがゆっくりです。
シングルにする際に拓郎の提案で、テンポを速くして新たに録り直しました。
常富さんによるとノンクレジットですが、シングル・アルバムどちらも拓郎がガット弦のギターを弾いているらしいです。
この曲の地下鉄は丸ノ内線。ゆる〜い雰囲気が良い味を醸しています。ほのぼのとした曲ですが、この曲で歌われている地下鉄にのって移動している2人には何かあったぽいですね。
特に3番「ねえ君 もう降りてしまおう〜♪」から始まり、最後は「君ももちろん降りるんだろうね〜♪ でも君はそのまま行ってもいいよ〜♪」というのが気になりますね。
意味深な歌詞で、いろいろな想像が膨らみます。
B面「片想いのブルース」は田口清さんのポップな感覚が光る作品です。
「地下鉄にのって」も「片想いのブルース」も田口清さんの甘い歌声がとても良いのです。
しかし、田口清さんは残念ながら、すでに故人(1991年死去)です。会ってみたいシンガーソングライターでした。
「地下鉄にのって」猫
ヤングインパルス出演時の映像