あゝ名盤 シングル編⑨「心の旅」チューリップ

f:id:tomiisan:20170508141346j:plain

チューリップ「心の旅」(1973年4月20日)

A面「心の旅」
作詞・作曲:財津和夫
編曲:チューリップ
弦編曲:青木望
 
 
B面「夢中さ君に」
作詞・作曲:財津和夫
編曲:チューリップ
弦編曲:青木望
 
 
チューリップは1972年、福岡から上京し「魔法の黄色い靴」(シングル、同名のアルバム同時発売。1972年6月5日)でメジャーデビューしました。(1972年〜1979年までの第1期メンバーは財津和夫、吉田彰、姫野達也安部俊幸上田雅利
 

 

「魔法の黄色い靴」は業界内で高い評価を受け、期待されていたのですが売れませんでした・・・。
そしてさらに次に出した「一人の部屋」(1972年9月20日)も売れず・・・。
どちらも良い曲なんですけどね・・・。
 

そしてついに・・・これが売れなかったら地元福岡に帰ろう・・・という話が出始めた頃、チューリップの代表曲になる3枚目のシングル「心の旅」が登場するのです。

 

「心の旅」はいきなり大ヒットした訳ではなく、オリコン初登場は71位でした。しかし、だんだん人気が出始め、発売から約5ヶ月後にオリコンシングルチャート1位を記録するのです。

 
ところでチューリップの多くはリーダーの財津和夫さんの作品でリードボーカルも財津さんが多いのですが・・・ところが「心の旅」は財津さんが作った曲ですが、リードボーカルは姫野さんです。
 
当初は「心の旅」は作者である財津さんがリードボーカルの予定でした。
ところが、前2作が財津さんリードボーカルで売れなかったという事もあり…レコーディング直前、ディレクターの判断により「心の旅」は姫野さんがリードボーカルになりました。
 
そして、皮肉(?)な事に「心の旅」は大ヒット。チューリップは一躍メジャーバンドになり、「夏色のおもいで」(1973年10月5日)、「銀の指輪」(1974年1月20日)と姫野さんリードボーカルの曲が続きます。作者はもちろんリーダーである財津さん…。売れたけど、やはり心境は複雑だったみたいです・・・。
 
財津さんが再びシングルA面のリードボーカルの座に返り咲くのは「青春の影」(1974年6月5日)になります。
 
さて「心の旅」ですがイントロなしで、いきなり「あーだから今夜だけは〜♪」とサビから入り印象に残りますね。そして、確かに甘い声が魅力の姫野さんにとても合っている曲です。笑   
 
 1973年当時、ヤングインパルスに出演した時に「心の旅」を演奏している映像が現存していますが、映っているのは4人・・・。あれ、チューリップは5人のはず・・・あ、財津さんがいない⁉
っと思ってしまう映像なんですが、実はいるんですよ。よーく観てると隅っこでピアノ弾いている人がチラッと映ります。んー、何か切ない・・・。
 
 
B面の「夢中さ君に」のリードボーカルは財津さん。その後もチューリップのLIVEの定番曲として演奏され続けているノリノリのロックンロールナンバー。
 
「真っ赤な車で〜いつもやってくる〜そよ風がよく似合う女の子〜♪」って、どんな女の子なのよさ⁉︎笑
 
「本をかかえて〜僕の目の前を〜すまし顔で過ぎると〜キャンパスへ消えていく〜♪」学生なのかしら。
 
という感じで、いろいろ想像が膨らみますね。「夢中さ君に」は個人的にはとても好きな曲です♪
 
 
ところで、チューリップのギタリスト・安部俊幸さんは2014年7月7日に亡くなりました。チューリップのギターって、すごくカッコいいんですよ。「心の旅」「夢中さ君に」でも安部俊幸さんのギタープレイが堪能出来るので、そのあたりにも注目して聴いて欲しいです♪
 
 
 
 
 
チューリップ「心の旅」
1973年ヤングインパルスの映像