「高杉晋作」(著・山岡荘八/全3巻)を読みました。幕末、長州藩の志士で破天荒に生きた男。まさに風雲児と呼ぶにふさわしい人物。
酒を飲んでは暴れ、芸者をあげて大騒ぎ。さらにその金の支払いを藩に押し付ける…。
でも高杉晋作という男、憎まれたりせず周りの人を惹きつける不思議な魅力を持っています。
高杉晋作の活躍については調べれば沢山出てくるし、この本に書かれているので割愛します。晋作はとにかく行動力があり、鋭い頭脳を持っています。短い生涯を駆け抜けるように生きた…そんな印象を受けます。
この小説で印象深いのは晋作の最期を愛人・おうのとの交わりを通して丹念に描いているところです。おうのは賢い女でも特別に器量が良いわけでもありません。おっとりとした素直な性格な女性として描かれています。そんなところが、晋作のようなぶっ飛んだ人物には癒しになったのでしょうか。
晋作の妻、雅子が病床の晋作を見舞った時におうのと鉢合わせますが、結局おうのを許してしまいます。それはやはり、おうのだから…なのでしょう。