とみいさん名作劇場④「囁く死美人」

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「囁く死美人」(1963年6月23日公開/大映

監督:村山三男
脚本:目白一夫
企画:原田光夫
音楽:土橋啓二
撮影:宗川信夫
美術:高橋康一
照明:伊藤幸夫
録音:渡辺利一
編集:中静達治
スチル:椎名勇

出演:川崎敬三、万里昌代、花布辰男、緋桜陽子、浜田ゆう子、響令子

 

 

 

河田病院の青年外科医・菅英一(川崎敬三)に院長の令嬢・令子(浜田ゆう子)との縁談が持ち上がります。菅はこの縁談を受けたいと思っており、恋人の看護婦・丹羽不二子(万里昌代)の存在が邪魔になってきます。

 

ある日、菅(川崎敬三)は不二子(万里昌代)から妊娠した事を知らされます。しかし、菅は「おろせ」と言います。不二子は院長に自分たちの関係をバラすと言って、階段を駆け上っていきます。菅は不二子を力づくで止めようとしますが、その弾みで不二子は階段から転落してしまいます。その結果、子どもは流産してしまい、不二子は足が不自由になってしまいます。

 

不二子(万里昌代)は河田病院に入院し、菅(川崎敬三)に哀願と恨みのこもった眼差しを向けてきます。
菅は不二子とやり直すつもりはなく、院長の令嬢との縁談に乗り気です。菅は不二子を殺そうと決意します。
菅は鎮静剤で不二子を眠らせ、夜半に病室から担ぎ出して裏庭の貯水プールに沈めます。沈めた時に不二子は目覚めますが、菅は強引に押し沈めます。断末魔の不二子の怖ろしい形相が目に焼き付きます。

 

その後、菅(川崎敬三)の巧妙な偽装によって不二子(万里昌代)は自殺と決まります。
菅は院長の令嬢・令子(浜田ゆう子)と結婚します。しかし、幸福な結婚生活は長くは続かず、奇怪な出来事が菅を襲い始めます。
不二子が使っていた松葉杖を家に置いて行った謎の押し売りの女、不二子の筆跡のメモ、菅を追い回す足音・・・。
そして、死んだはずの不二子が立っていたり‐
追い詰められた菅はだんだん狂っていき・・・。

 

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川崎敬三さんが演じる青年外科医・菅は優秀な人物なのですが、エゴイストな部分もあります。それが、結局自らの身を滅ぼすもとになります。
菅は院長から腕を買われており、院長の娘にも慕われています。その為、院長の娘との縁談が舞い込みます。しかも、次期院長とヨーロッパ研修旅行という条件まで付いていました。
しかし、菅は美人看護婦・不二子(万里昌代)と出来ていました。それで菅は縁談の邪魔になり別れ話のこじれた不二子を殺すのですが・・・不二子の執念は怖ろしい。
まあ、不二子、生きている時から何か怖い気もするけど。笑

 

貯水プールで溺死させたはずの不二子(万里昌代)がなかなか上がってこないので、菅(川崎敬三)は実は不二子は生きているのではと疑います。やがて、遺体は上がるのですが、それは身代わりだったのではないかとも疑い始めます。
疑心暗鬼になり、追い詰められ狂っていく演技が鬼気迫っており、怖いです。
そして、やはり不二子、怖い。(;゚Д゚)

 

不二子を演じたのは万里昌代さん。新東宝のスターで、新東宝倒産後は大映に移籍し活躍していました。色っぽいグラマー女優として人気がありました。1980年代以降の消息が謎で現在はどうしているのか気になりますね。
そんな万里昌代さんですが、この映画では何か雰囲気が怖いんですよね。それと目ね。菅(川崎敬三)を追いつめていく姿が・・・きゃー。
そりゃ、菅も狂ってくるよな・・・。ムムム・・・。

 

とーても怖いホラーサスペンス。
ラストが意外な展開で驚きます。
Σ(・□・;)