気になる日本映画達<アイツラ>2016「花芯」「蜜のあわれ」

最近観た映画の話。新文芸坐で「花芯」「蜜のあわれ」を観ました。
4月9日(日)~22日(土)まで「気になる日本映画達<アイツラ>2016」という昨年公開した映画の特集上映を開催中です~。

 

「花芯」(監督:安藤尋
原作は瀬戸内寂聴さんの小説です。1957年に発表し、「子宮作家」というレッテルを貼られ、その後しばらく文壇的沈黙を余儀なくされた問題作の映画化です。すみません、原作読んでいません。機会があったら読みたいと思います・・・。

 

主人公は親の決めた許嫁と結婚し、息子もいる園子(村川絵梨)。夫・雨宮(林遣都)は園子を大事に可愛がりますが、園子は結婚後も夫を愛する事が出来ません。そんなある日、夫の転勤で移り住んだ京都で夫の上司・超智(安藤政信)に恋をしてしまいます。初めて知った恋・・・園子は自分の気持ちに戸惑います。そして、夫にも超智に恋している事を告げてしまう園子・・・。嫉妬に狂う夫・・・。そして・・・怒って壁に穴を開けるほどの・・・壁ドン!?
やがて自分の欲望を抑えられない園子は超智との性愛に溺れていきます。家庭は崩壊していきます・・・。

 

園子(村上絵梨)にとっては結婚も出産も親から与えられた義務・・・みたいなものなのでしょう。だから結婚しても夫に対して愛が芽生えない・・・。
一方のイケメン夫・雨宮(林遣都)は妻を抱き、2人の愛の絆が深まったと思っています。
あゝ、何だか雨宮がかわいそうになってきます・・・。だって、このイケメン夫は悪い人じゃないんですよ。むしろ妻を大事に思っているのですよ。
園子は「愛がなくても感じるのよ。他の人で試したからわかった」なんてSEXした後で夫に言っちゃうんですよ。そりゃ、イケメン夫、激オコプンプンになりますよ。激昂した夫は園子の首を思わず絞めますが・・・結局は殺せない。そんな人なんですよ・・・。

 

夫の上司・越智(安藤政信)と出会い、恋を知った園子は越智と不倫関係になります。でも、この関係もやがて崩壊していきます。あんなに欲しがっていたはずの越智にも愛を感じなくなっていくのです。「愛していると言ってもいいけど、心はもう燃えていない」と言う園子・・・。愛がないなら金を払わないといけないなと言って金を投げ捨てて出て行く不倫相手・越智・・・。

 

自分の近くにいたら嫌かもしれないけれど・・・己の「性」の欲望まま自由奔放に生きる園子は魅力的です。物語が進むにつれて園子はどんどん綺麗になっていく気がします。
ラストの崇高と言ってもいいくらい美しい笑顔。そして、園子という女を象徴するようなナレーション。
「私が死んで焼かれた後、私の子宮だけが焼け残るんじゃないかしら」

 

うーむ、この映画を観て女性は強く恐ろしいなぁ・・・と思います・・・。
それとこの映画の濡れ場は美しい。いやらしい意味じゃなくてね。村上絵梨さんの表現力が素晴らしいという事です。

 

 


蜜のあわれ」(監督:石井岳龍
石井聰亙じゃなくて・・・石井岳龍監督の最新作。(2010年に改名)
原作の「蜜のあわれ」は室井犀星(1889~1962)の最晩年の小説。すみません、原作読んでいません。機会があったら読みたいと思います・・・。


さて、映画ですが金魚と老作家と幽霊が出てきて、楽しく官能の世界が描かれています。あゝ・・・こういう映画、好きだなぁ。

 

笑顔と丸いお尻がチャームポイントの赤子(二階堂ふみ)は自分の事を「あたい」と呼ぶ愛嬌ある女の子。「おじさま」と呼ぶ老作家(大杉漣)と仲睦まじく、おしゃべりしながら暮らしています。そんな2人の会話は・・・どこかエロティック。夜には体を寄せ合って寝たりします。
いつも赤い服を着ている赤子。あれれ、真っ赤な尾鰭が!?
そうです、赤子はなんと金魚だったのです。

 

そして、さらに老作家の昔の女(真木よう子)登場。幽霊だけどね!

 

えっーとですね・・・なんと言いますか、かわいい女の子の金魚やら幽霊やら何でもありな世界観です。さらにいろいろ赤子の事を知っている金魚売り(永瀬正敏)、自殺した老作家の友人・芥川龍之介高良健吾)など愉快な登場人物が出てきます。

 

とにかくこの映画、赤子を演じる二階堂ふみさんが魅力的で素晴らしい。こういう幻想的で妖気な雰囲気を持ちつつ、チャーミングな魅力を表現するのがとても上手いです!金魚ダンス(?)もステキです♪
「おじさま、あたいを恋人にして頂戴。短い人生なんだから、愉しいことでいっぱいにするべきよ」
う~ん、こんなこと言われたら、おじさまメロメロになっちゃいますね~。

 

「僕もとうとう金魚と寝ることになったか」

 

大杉漣おじさまも素晴らしいです。おじさまの1番好きなシーンは赤子に「交尾しなくていい!」と言うシーンですね。笑
それに対して赤子は「交尾してまいる!」と言って家を飛び出します。「交尾はいかん!」と言って叫ぶおじさま。思わず笑ってしまいました。

 

正直、全体的に何だかよくわからない映画です。でも、よくわからないけど楽しい映画です。とってもコミカルでロマンチックな世界。そして、美しいエロス。それがこの映画の魅力です♪